最近ではホームセンターでも手すりを容易に購入することが出来ます。皆さんの中にはインターネットで購入された方もいらっしゃるのではないでしょうか。少し腕に覚えのある人なら、安く済ませるために自分で仕入れから施工までを全てやってしまおうと考えても不思議ではありません。

しかし「生兵法はケガの元」の格言どおり、少々勉強したくらいでは本当にケガをしてしまいますので注意してください。

一例を挙げましょう。例えば皆さんはこの質問にどうお答えになりますか?

  • 階段に手すりを設置したい。設置する位置(階段踏面からの高さ)はどうやって決めたらいい?

階段はもっとも手すりのニーズが高い場所です。当然ながら細心の注意が必要ですが、いざ尋ねられると答えに窮しますね。

この場合「床から80~85センチ」とか答えてはいけません。まず目的をはっきりさせる必要があるのです。前回にも触れましたが「①バランス保持による転倒防止」、「②安全な移動の補助」が手すり設置の主な目的です。①と②のどちらを重視するかで高さが少し変わるのです。

ただし設置場所が階段の場合は、②を基本とするのが原則です。この場合は杖の高さ、具体的にいうと「大腿骨大転子(・・・骨盤と大腿骨のつなぎ目あたりの出っぱった箇所)」と呼ばれる部分を基準にします。先ほどの「80~85センチ」というのはあくまでも標準的な日本人の身長を目安にしたもので、実際に利用する方の体型に合わせたものではないので不正解になります。

では①を重視する場合はどうでしょうか、この場合は「②の高さ+10センチくらい」が設置する高さになります。なぜ高めに設置するかというと、肘を曲げた状態で、上腕部を手すりの上に載せて移動することを想定しているからです。階段ではしっかりと手すりを握って移動するでしょうから、レアケースかと思いますが、握力が弱くしっかりと手すりを握れない状態なら一度検討してみる価値があります。

なお「10センチくらい」というのは「肘より低く、骨盤やおへその高さ」がおおよその目安となるため。これも勿論実際に利用する人の体型が基準となります。

高さ1つでも安易に決められないのがよく分かって頂けたのではないでしょうか。